浄教寺砥(じょうきょうじと) 赤砥
刀剣研ぎ用 下地砥石(上等品)
本品は、京都・浄教寺周辺で産出したとされる真正の浄教寺砥のうち、
特に評価の高い赤砥(あかど)系統に属する下地研ぎ用砥石です。
浄教寺砥は古くより、
荒砥・備水砥の後に用いられる最重要下地砥として位置づけられてきました。
その中でも良質な赤砥は、
浄教寺砥の最上質層に属する石として、
研師の間で上等品扱いされてきたものです。
【歴史と評価】
浄教寺砥は、内曇砥が一般化する以前から
地鉄を締め、姿と線を決定する下地砥として用いられてきました。
特に赤砥は、
・砥粒が揃い
・削りすぎず
・内曇へ極めて良く繋がる
という性格を持ち、
腕のある研師ほど評価する砥石とされています。
色味ではなく「仕事」で選ばれてきた結果、
良質な核心層に赤味を帯びた石が多かったことから、
赤砥は浄教寺砥の中でも上等品の代名詞的存在となりました。
【刀剣研ぎにおける役割】
浄教寺砥(赤砥)は、
下地研ぎの最終段階を担う極めて重要な砥石です。
・荒砥・備水砥の砥傷を細分化し均一化
・鎬筋、刃区、切先横手などの線を最終決定
・地鉄を締め、内曇砥が正しく作用する下地を作る
この工程が不十分な場合、
内曇工程以降で
地が濁る・刃文が沈む・冴えが出ない
といった結果になりやすく、
最終仕上がりを大きく左右する砥石とされています。
【特徴】
・赤褐色〜暗赤紫を帯びた鉄分豊富な層
・砥粒は細かく、角が立ちすぎず粘りがある
・水持ちが非常に良く、砥泥が安定して立つ
・削るのではなく、鉄を締めて整える性格
現代の人造砥や改正砥では得られない、
天然砥特有の締まりと繋がりを備えています。
【貴重性・入手困難性】
浄教寺砥の産地は現在、事実上枯渇状態にあり、
新たな採掘はほぼ不可能とされています。
特に良質な赤砥は、
・研師の蔵出し品
・旧在庫
・使い残し
として、ごく稀に市場へ出るのみで、
状態と質が揃ったものは極めて希少です。
実際、研師が手放すことは少なく、
**「道具というより資産」**として扱われることもあります。
【補足】
・天然砥石につき、層理・色ムラ・微細な欠け等は自然のものです
・改正砥や人造砥の代替品ではありません
・美術刀剣研ぎ、下地研ぎを重視される方向けの砥石です
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